2024/11/28 21:53
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2009/10/20 13:23
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理科系のための英文作法 杉原厚吉 中公新書 1994年 どのようにして文法的に正しい1文を書くのかについては、至るところで紹介されている。しかし、個々の文をどう繋げば、誤解のない文章を書くことができるのかについての説明は、あまり見ることがない。往々にして、「多くの文章に接することで身に付けていくべき」という、感覚的な精神論が横行している。それ以外の方法はないのか?これが、本書の掲げるテーマである。筆者は、コンピュータによる自然言語処理の技術を利用し、読みやすい文、誤解のない文の書き方について解説する。 全体的に優れている本である。しかし、最も感心する内容は、階層構造に気を付けて書くという内容である。文章には、階層がある。例えば、トピックセンテンスとそれを支持する具体例、名詞の修飾などが、それにあたる。それをうまく表現しないと、誤解を招く文章になってしまうことがある。では、どうすれば良いのか?本書では、語句の定義の仕方、接続詞・副詞の使い方など、豊富な事例とともに、確実に意味の伝わる英文の書き方が述べられる。このような方法は、文系の作文、さらには日本語の作文にも適用できる また、本書で挙げられている仮説(文の接続関係を明示した方が文章がわかりやすくなるなど)は、自然言語処理・言語心理学のトピックとしても面白い。英語教育の世界では比較的学習者任せにされている分野の重要性を指摘しただけでなく、客観的な視点を取り入れた手法を紹介したという点は、大きな功績と言える。「筋が通った文」とは、結局どんな文のことなのか。この疑問に対する答えは、本書のあらゆる箇所に見つけられる。 本書については、英語ニュースでも取り上げられている。かなり詳しい書評なので、お薦め。 PR |
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