2024/11/28 08:49
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2010/03/16 13:11
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ネイティヴが教える英語作文の技術 ウェイン・スティアー 江口真理子訳 丸善ライブラリー 1998年 英語の文章を上手に書くにはどうしたら良いのか。本書は、わかりやすく、しかも名文と思わせる英文を書くためのコツを伝授しようとするものである。 タイトルに「英語作文」という表現が含まれているものの、本書の内容は、十分母語にも適用可能なものである。むしろ、日本語の作文教育ではあまり教えられていない内容かもしれない。例えば、風景を描写するときには視点を一定にし、一点から順々に場所を移動するように書くという技術は、言われてみれば当たり前でも、誰かに教わったかというと、定かではない。 その他、やや高度な技術についても取り上げられている。相手を説得する文を書く際のコツなどは、なるほどと思わされる。まず、自分の意見に対する反対意見と賛成意見を交互に出すことがポイント。さらに、反対意見は、説得力のあるものほど前に、賛成意見は説得力のあるものを後に、それぞれ提示すると効果的であるという。なぜなら、読み手にとって、文章の最後は印象が最も強い。その部分に強力な主張が来れば、読者は納得させられやすい。しかも、全体としては反対意見にも耳を傾けているのだから、主張を押し通した独善的な文章には見えない。最後に、自分の賛成意見のみをまとめた要約文で文章を示せば、無意識のうちに、読み手は説得されてしまう。 また、終盤に出てくる、作文ミスのチェック表は、非常にユーモアのある構成。例えば22番、 Needless to say, avoid, you know, useless words (p. 181). ※「不要な言葉は省け」というメッセージを伝えるために、筆者が不要だと指摘する"needless to say"(「言うまでもなく」)や、"you know"(「ほら」「知っての通り」)をわざと含んでいる。 英作文向けなので、もちろん文法についての話もある。しかし、大半は書くための姿勢や、ちょっとした小技の紹介に費やされている。論理的でわかりやすい文章を書く方法が紹介されている本は少なくないが、本書のように、その先にある「名文を書く」という段階まで見据えている本は意外と少ない。もちろん、テクニックを使いすぎて逆に仰々しい文になってしまったり、わかりやすさを犠牲にしてしまっては、本末転倒と言える。それでも、知っておくと便利な知識は多い。 PR |
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