2024/11/28 18:41
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2010/04/27 15:30
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行動経済学 感情に揺れる経済心理 依田高典 中公新書 2010年 経済学は、元来、最大限合理的な選択を行い、誤ることのない人間を想定してきた。しかし、実際には、人間は誤る。後悔する。そして、感情に突き動かされる。このような完全無欠ではない人間を前提に据えて理論の構築を試みるのが、行動経済学である。本書は、人間が半分合理的で、半分非合理な存在であることを示す好例として、不確実性下の選択や、アディクションなどを取り上げ、行動経済学の基本的な考え方を紹介するとともに、その意義や問題点にも迫る。 現在、行動経済学は一種のブームになっている。人間は常に合理的な選択をするわけではない。人間臭さを取り入れた理論は、前提となる完璧な人間像に疑問を抱いた者にとっては、非常に受け入れやすいのではないだろうか。実際、NHKの「出社が楽しい経済学」という、非常にわかりやすく行動経済学の概念を伝えるテレビ番組も出てきている。 そのような番組を見ていると、数式などは一切登場しないため、ともすると行動経済学が気楽な学問であると思ってしまいがちだ。本書では、数式による説明が多く出てくる。根っこにあるのは同じ行動経済学であっても、見せ方は大きく異なる。一見とっつきやすいものでも、本格的に理解するには、壁を越える必要がある。 本書で取り上げる事項は、多岐に及ぶ。心理学でよく知られた現象に始まり、時間が関わってくる問題(今、100万円を受け取るか、1年後に110万円を受け取るかという選択に対し、どんな反応を見せるかなど)、不確実性下の選択(確実に100万円もらうか、50%の確率で250万円もらうかの、どちらを選択するかなど)、アディクションの問題(喫煙者、禁煙者、非喫煙者の考え方の違い、タバコはいくらにするのが妥当かなど)、ゲーム理論(囚人のジレンマなど)、進化心理学との関連。その一つ一つに、人間と経済の関係を理解するためのヒントがある。 PR |
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