忍者ブログ
# [PR]
2024/11/28 14:55
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


CATEGORY [ ]
pagetop
# 『慶應の人脈力』
2010/07/28 15:10
慶應の人脈力 國貞文隆 朝日新書 2010年



私のこれまでの経験上、東京近辺で頭の良い人は東大や早稲田を受けるというのが、一般的なイメージなのではないかと思う。それに対して、慶應という名が浮かぶのは、それよりも後のような気がする。現に、世間一般には「早慶」という言い方が広まっていて、親しみの度合いなら、早稲田のほうが勝っているかもしれない。

しかし、一方で、慶應という言葉から発せられる、高貴、洗練、お金持ちといったイメージは、他の難関大学からはなかなか得られない。また、少なからぬ人々にとって、慶應とは憧れの場であり、必死になって目指す目標となっている。それは、どうしてなのか。一体、慶應の魅力とはどこにあるのか。本書はこのような疑問に立ち向かうべく、慶應義塾の歴史、福沢諭吉の思想、政財界との繋がり、慶應閥など、様々な視点から、慶應について分析していく。

ファミリービジネスの一大拠点として、大企業の二世、三世が集い、強力な人脈を作り上げていく過程は、まるで、卵が先か、鶏が先かと思わせるような、富裕層が富裕層を生み出していくサイクル。財閥系に対する強さも未だに健在。就職活動においても、他の学生から頭一つ抜きん出た社会人らしさは絶大な評価を得ている。結局のところ、どうしてここまで慶應は力があるのか。本書には、その答えが散りばめられているけれども、読めば読むほど謎も深まる。ただ1つ言えるのは、読後、称賛なり嫌悪感なり、慶應義塾に対する様々な感情が喚起されるであろうことだ。良い意味でも悪い意味でも、慶應は日本の実業界の中核を担ってきた。日本社会に脈々と生き続けてきた慶應の息吹が感じられる。
PR

CATEGORY [ 社会・経済 ] COMMENT [ 0 ]TRACKBACK [ ]
pagetop
<<『火の賜物 ヒトは料理で進化した』 | HOME | 『セクシィ古文』>>
コメント
コメント投稿














pagetop
trackback
トラックバックURL

pagetop
FRONT| HOME |NEXT

忍者ブログ [PR]