"Charlie and the Chocolate Factory" Roald Dahl 講談社英語文庫 2005
貧しい家に暮らすCharlieは、チョコレートが大好き。自宅の近くにある、謎の大きなチョコレート工場がの前を通っては、匂いを嗅いでいた。ある日、その工場が5人の子どもを招待し、特別に工場の中を見せると言い出した。工場の経営者Wonkaの意図とは、そして、チョコレート工場に招待された5人の子供達とその保護者の運命はいかに。
ストーリーとしては、児童書の王道を行っている。貧しくても心優しい人が最後には報われ、反対に富ばかり持っていて、驕り高ぶった人が痛い目に遭う。
とはいっても、ストーリーの構成など、見事な作品だ。Charlieがすぐには招待券を手に入れることができず、うまく読者をじらす序盤。他の招待者である子どもと保護者の滑稽な姿の描写。子供達が次々と誘惑に負けて災難に遭う展開から、次は何が起こるのかと期待させる展開。ラストに明かされる、チョコレート工場の秘密。読者を飽きさせず、物語にぐいぐいと引き込む力がある。約30000語の英文でありながらも、スピード感を持って読むことができる。おそらくそこには、作者の文章力も影響しているのだろう。
それなりに難度のある作品なので、巻末の語注が有り難い。
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