聖書が面白いほどわかる本 鹿嶋春平太 中経の文庫
聖書に詳しい人が、高校生に語るという設定の本。それだけに、聖書について基本的なところからまとめられている。聖書は一体誰が書いたのか?聖書は、人間の身体や魂、死生観をどのように捉えているのか?ユダヤ教とキリスト教の違いとは何か?罪とは何を指すのか?などなど…
この本を読んで思うのは、いかに自分が聖書の概念について知ったかぶりをしていたかということだ。聖書の中にある物語は、様々な本や創作で語られたりすることが多い。しかし、聖書の根本にある思想となると、案外見逃されているとは言えまいか。
本書は、聖書を基礎の基礎から説明していく。だから、上記のような、基本的で聞くのを躊躇いそうな疑問までもが取り扱われている。しかも、日本人にとって分かりにくいと思われる概念や思想については、丁寧に噛み砕くことを心がけている記述も有り難い。特に、創造主、イエス、イエスの死後の現代、という流れの中でキリスト教の思想を説明している最終章の内容は圧巻。
聖書について知ってみたいが、何の手掛かりもなく、難解な概念や思想のもとに挫折してしまいそうというのが、多くの日本人の本音であろう。本書は、聖書について知る手引となる、入門書としては、非常に優れたものである。
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