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# 『GOSICK s Ⅱ ―ゴシックエス・夏から遠ざかる列車―』
2010/05/31 21:03
GOSICK s Ⅱ ―ゴシック・夏から遠ざかる列車― 桜庭一樹 富士見ミステリー文庫 2006年



聖マルグリット学園は、2ヶ月の夏休みに入る。学校は休みでも、事件は休んでくれない。相変わらず、ヴィクトリカに振り回されつつ、一弥は日々を過ごす。夏の間に起こった事件をまとめた全6話の短編集。

いつもの長編と比べると、非常にのどかな事件や微笑ましい事件も多く、ほっとできる内容。一弥の兄とヴィクトリカとの謎かけ勝負が展開される、「仔馬のパズル」、イタリア人少年の淡い恋心が事件の核心となる「花降る亡霊」、過去にあった2人の少女の物語と現在がパラレルに描かれ、やがて2つの物語が交差する「夏から遠ざかる列車」、男嫌いの一弥の姉と軍人の武者小路との物語である「怪人の夏」、街に出た一弥が偶然遭遇した盗難事件を扱った「絵から出てきた娘」、ブロワ警部が幼馴染の女性、ジャクリーヌのために奮闘する「初恋」と、バラエティに富んだ展開。

過去の長編で触れられていたことが再び出てくるなど、長編を読んでいた読者には嬉しい箇所もある。また、ついに本格的に登場した一弥の姉の瑠璃は、一弥の性格や生い立ちを語る上で欠かすことのできない人物になりそうだ。瑠璃の設定一つ一つが巧い。

第五話の「絵から出てきた娘」の最後には、ヴィクトリカが普段は生徒でいっぱいのベンチで過すシーンがある。彼女にとって、夏休みは学園内を比較的自由に歩き回れる数少ない機会なのであろう。彼女にとっての長いようで短い、儚いひとときが演出されていた。


♦過去の記事♦
『GOSICK Ⅱ ―ゴシック・その罪は名もなき―』
『GOSICK Ⅲ ―ゴシック・青い薔薇の下で―』
『GOSICK Ⅳ ―ゴシック・愚者を代弁せよ―』
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