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# 『日本サッカー現場検証 あの0トップを読み解く』
2010/10/27 10:02
日本サッカー現場検証 あの0トップを読み解く 杉山茂樹 じっぴコンパクト新書 2010年



ワールドカップ南アフリカ大会、日本は大方の予想を裏切り、世界を驚かせる番狂わせを演じて、決勝トーナメント進出を決めた。岡田監督については、更迭論まで噴出していたにも関わらず、一挙に支持率が上がった。著者の南アフリカワールドカップ体験記に乗せて、岡田ジャパンの戦術に迫る。

著者は、サッカーの戦術に関する本を多く出している。以前、本ブログでも、『4-2-3-1 サッカーを戦術から理解する』という本を取り上げた。メディアで一般に報道される「攻撃サッカー」などの言葉に疑問を呈し、過去に観客を沸かせた戦術を引用しながら独自の視点でサッカー解説を行うのが特徴。

本書でも、その姿勢は変わらない。「本田の1トップ」「中盤の3ボランチ」「守備的な布陣への変更」といったメディアの報道が実態に則していないと批判し、「主力の不振」といった岡田監督自身の言葉についても、納得しない様子。

著者が最も力点を入れているのは、事実上「0トップ」になったという布陣の解説だ。著者は、今までずっとストライカーの不足が嘆かれている日本の場合、攻撃的MFの力をうまく利用する「0トップ」という布陣が向いているということを提唱してきたという。日本の躍進は、偶然なのか、狙ってなのかはわからないものの、この戦術が奏功した結果だという。本田・香川・宇佐美といった、FWとMFの中間とも言えるような選手が次々と台頭してきた中、この戦術は現実味を帯びているかもしれない。Jリーグの現状では、ウィングの選手が育ちにくいことや、そもそもフォーメーションという概念自体定着しにくいという指摘にも納得。

「アフリカ勢が勝てない理由は情緒不安定だから」といった、鵜呑みにはできないような記述もあるが、本書をもとに、また新たな視点で日本代表やJリーグの試合を観戦してみると、思わぬ発見がありそうなのは事実だ。実際に試合会場に足を運びたくなる気持ちになる本だ。
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