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# 『源静香は野比のび太と結婚するしかなかったのか 『ドラえもん』の現実』
2014/02/23 23:14
源静香は野比のび太と結婚するしかなかったのか 『ドラえもん』の現実 中川右介 PHP新書 2014年



ドラえもんを切り口にすると、実に多様な問題について考えることができる。しずかちゃんという存在はフェミニズムの問題とは切っても切れない縁があるし、のび太はスクールカーストの最下層に位置する人間であろう。作品の舞台となる郊外は、どんな意味を持っているのか。こういった社会学的な議論はもちろん、ジャイアンとスネ夫の関係を国内や国外の政治世界に当てはめてみたり、ドラえもんの作品構造について分析してみたりと、縦横無尽にドラえもんという作品について語った本。

中でも特に驚いたのは、小学館の学年誌におけるドラえもんの描き方である。作者の藤子・F・不二雄は、それぞれの年代が幼稚園から小学校と学年を経ていくのに合わせて描いていたというのだ。すなわち、小学校1年生向けには、小学校1年生に相応しい考え方や性格ののび太が登場し、読者の学年が上がるにつれてのび太の年齢も上がり、話題も社会的・科学的に高度になるように描いていたのだ。特に初期の頃の作品では、『小学六年生』の3月号には、のび太もこれから中学校に上がるかのような記述があったという。アニメやコミックスでおなじみの、ずっと小学4年生か5年生のままであるのび太とは異なるのび太が描かれていたのだ。しかも、それを使い回さずに各年代が各学年で異なったストーリーを読めるように配慮したというのだから、驚きである。年代によって学年誌で読んできたドラえもんが皆違うのだ。現代の作家でここまでのことができる人間はいないであろう。

慣れ親しんだ物語に新たな見方が与えられ、また久々にドラえもんを読んでみたくなった。
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# 『あの歌詞は、なぜ心に残るのか Jポップの日本語力』
2014/02/08 11:31
あの歌詞は、なぜ心に残るのか Jポップの日本語力  山田敏弘 祥伝社新書 2014年



日本語では、助詞や助動詞が意味を伝達する上で大切な役割を担っているにもかかわらず、学校教育の過程ではそれほど大きな取り扱いがなく、個々の意味や役割について深く考えることもなく大人になった人も多いのではないだろうか。また、いわゆる「若者言葉」とでも言われるような「乱れた」日本語について、そのような表現が生まれた背景を文法的に考えてみた人はどれだけいるのだろうか。本書では、Jポップの歌詞を日本語文法という視点から分析し、表面的な見方では見逃してしまいそうな歌詞に込められた深い意味を分析しようという探究がなされる。

本書を読んでいると、たった数語である助詞や助動詞、普段何気なく使っている「~してくれる」などの表現の持つ意味の大きさ、それらが表わす深遠な意味について感嘆してしまう。文法的な分析が主であるので、各表現の意味について体系的な分析指標を得られるわけではないが、「こんな視点もあったのか」と思わされるような指摘の数々を読むにつれ、身の回りに溢れるJポップの歌詞に対する見方が変わるような気になる。

また、本筋以外であるにもかかわらず魅力的なトピックを扱っているのが全5本のコラムである。鼻濁音や特殊なルビに対する筆者の意見は興味深い。

文法を扱えば必ず出てくるのが、「間違った用法」である。ら抜き言葉をはじめ、現代を歌い上げるJポップにおいてはしばしば「今風の」言い方が用いられていて、それを誤りだとか、言葉の乱れだとか指摘するのは簡単なことである。しかし、筆者はあくまで言語学者としての立場を貫き、新しい表現が生まれる合理的な理由を追究したり、興味深い表現だという評価を下したりして、一切批判的な見方はしない。そのような立場が一貫しているからこそ、Jポップの歌詞を現代の日本語を表す鏡として、語の表す本質的な意味を考えたり、文法の果たす役割について考えたりできるのであろう。英語、日本語にかかわらず、言語教育の方法という視点からも、本書に学ぶことは多い。

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# 『辞書の仕事』
2014/02/05 11:39
辞書の仕事 増井元 岩波新書 2013年



長年、広辞苑の編集に携わってきた著者が語る辞書作成にまつわる小話集。一般には「辞書の仕事」と言われてもピンとくるものがないが、本書を読み進めていくにしたがって、その一角を垣間見ることができる。

印象に残った記述がいくつかあるのだが、その1つに二重の意味で「言葉のかがみ(鑑・鏡)」としての役割を持つ辞書の姿がある。編集部には常に、「言葉の乱れ」に関するコメントや指摘が寄せられるそうだ。辞書は正しい記述を求める拠りどころであるとともに、新しく世間に定着してきた言葉を収録するという役割も果たさないといけない。新しい言い方を「言葉の乱れ」と考えるか、言葉は変化するものとして寛容に捉えるか。また、辞書は「正しい」言葉や用法を載せることが義務なのか、そして「正しい」言葉を載せること自体は本当に可能なのか。辞典編集者としても解決のつかない問題が提示される。辞書に収録されている言葉1つ取ってみても、その裏に抱える問題に考えさせられる。

英語など外国語の辞書と比べて、日本語の辞書は語法やコロケーションの分野に弱いという指摘にも考えさせられた。例えば、筆者は「買う」という単語に購入の意味以外の用法もあり(「顰蹙を買う」など)、当たり前のように使っている「買う」の用例さえも、実は奥深いとともに、辞書にはこのような語と語のつながりを記述する必要があることを示している。英語と日本語の2つの言語では圧倒的に市場規模が異なるので、国語辞典の場合はこだわりの辞書を作っても、常に採算の問題が浮上してくる。それでも、逆引き辞典が思わぬ反響を呼んで売れるなど、まだまだ日本語の辞書も思わぬ市場を抱えている可能性は高い。現に、近年の日本語ブームからも、日本人が密かに自らの言語に対して関心を抱いているということがわかる。魅力的な辞書が生まれ、評価される土台は整いつつあるのではないだろうか

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# 『就職力で見抜く!沈む大学 伸びる大学』
2014/01/24 22:15
就職力で見抜く!沈む大学 伸びる大学 木村誠 朝日新書 2014年



大学選びにおいて、就職力という視点は今や欠かせないものになっている。低成長の時代だからこそ、そんな現状に適応しようと奮闘した大学が、2000年代前半までの就職氷河期以降、急速に就職率を伸ばしている。本書は、そのような旬の大学を紹介し、大学を見る目を養ってもらおうというものである。ごく簡単にではあるが、就職率を伸ばした上位100校の取り組み例が案内されていて、興味深い。

また、最終章では離職率などの問題に触れ、卒業生の受け入れ先である企業の実態を示し、安易に数値を鵜呑みにして情報に飲まれないように注意を促している。大学は現在就職率に拘っているわけだが、世間が表面的な数値に囚われる限りは、大学も表面的な数値の獲得に勤しむことになる。しかし、これでは就職活動、ひいては働くことの本質を見失ってしまうのではないだろうか。本書は大学生の就職に関する実態を知る意味でも役に立つ。特に、女子大の就職状況に関する分析や、業種ごとの離職率の捉え方は、なるほどという点が多々あった。

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# 『これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学』
2014/01/15 00:01
これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学 マイケル・サンデル(著)鬼澤忍(訳) ハヤカワ文庫 2011年



日本に哲学ブームを巻き起こした火付け役である、マイケル・サンデル教授のベストセラー著作。身近な話題から入り、いつの間にか現代社会が抱える問題の核心へと誘う構成の巧みさ、様々な哲学的思索に対する切れ味の鋭い考察が魅力である。

哲学思想を歴史的な文脈で辿るのではなく、「正義」ということについて考えるのに必要な順序で辿ることによって、各立場の利点や問題点が詳らかになっていく。読み進めるにつれて、なぜ各思想がその順で紹介されていたのかがわかっていき、著者の構成の巧みさに唸らされるばかりであった。身近な問題から始めていくが、論点はどんどん深くなっていき、思想を体系付けて理解できる。最終的には、公共の正義とは何であるかという、未だはっきりとした答えの出ていない問題について考えることになる。

主にアメリカやイギリスの社会で起こった問題が具体例として挙がっていくが、日本とて、それらの問題からは無関心ではいられない。富の格差は許されるのか、お金を払うことで兵役が免除されても良いのか、アファーマティブ・アクションの是非、同性愛の結婚、戦争責任といった問題が、議論を深めていけば、必ずや誰もに関わる問題となることがよくわかる。現代を語るために、本書で語られた視点は無視できない。

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# 『回避性愛着障害』
2014/01/14 21:03
回避性愛着障害 岡田尊司 光文社新書 2013年



他者との親密な関係を避けたり、責任が重い仕事を苦手とする人々が増えているという。筆者はその原因を回避性愛着にあるとし、その問題点について考察していく。

人間が他者との関係を築くうえで重要な役割を担う愛着は、ボウルビィの研究などから、いくつかのタイプに分類されている。その中で、養育者との関係がよそよそしい関係になっている場合を回避型と呼んでいる。現在、その回避型は増加傾向にあり、人間関係の問題に留まらず、少子化などの社会問題の根幹になっていると、筆者は分析する。

本書の中で触れられる具体的な記述を見て、身近にいる回避型の人を想像した読者も多いのではないかと思う。確かに、回避型の人々が増えることは、社会問題と言えそうだ。しかし、愛着の問題で難しいのは、愛着の問題は、母親の養育に関する問題と切っても切れないつながりがある点だ。筆者は、愛着の問題は幼少時における母親との関係が重要であると述べていくわけだが、特に経済状況がよくなければ、母親が働きに出なければならない場面は多い。子育てに不得手な母親だっているはずだ。それでも、母親の働きかけが重要であると言い過ぎてしまうと、今度は母親の精神的負担があまりにも大きくなるのではないだろうか。根底にある状況を考慮せずに愛着の問題を語ると、また別の問題が出てきてしまう。愛着の問題とどう向き合うのか。これは、生半可な問題ではない。

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# 『医学的根拠とは何か』
2013/12/13 00:35
医学的根拠とは何か 津田敏秀 岩波新書 2013年



現代の医学の研究は、臨床の場で得たデータを分析して理論を形成していく試みであるのだが、日本ではそのような試みが為されず、医学の研究者は研究室に閉じこもって動物実験や細胞レベルの実験を繰り返し、むしろ人間そのものから離れていっているという。本書は、EBM (Evidence-Based Medicine) の観点から日本の医療、医学従事者の問題点を挙げ、改善を訴えるものである。

iPS細胞の研究で京大山中教授がノーベル賞を受賞するなど、日本の医学研究は、世界でもトップレベルだと、勝手に思っていたので、本書で明かされる真実は衝撃的であった。データを読み間違えたり、意図的にデータを出さないで自説を主張したりと、日本の医学会に蔓延っているのは、人間のデータを介さないで研究を行う医師達であった。EBMでは、疫学、すなわち統計的なデータを通して病気の原因を探ろうとする学問が重要視される。しかし、一般的には、疫学の方法論や貢献度について語られることは少ないように思う。最先端の機器を用いた細胞や分子レベルの研究や、難しい手術に挑む神の手を持った外科医の姿がメディアを通して人々の記憶に刻まれることはあっても、データの解析法が取り上げられることはないのではないだろうか。

本書のまえがきで、筆者は本書の構想を知り合いの精神科医に話したところ、「おまえ殺されるぞ」と冗談交じりに言われたというエピソードを書いている。本書を読み進めるにつれて、これはあながち嘘ではないと思えた。メカニズム云々にこだわり、データが示す内容については「個別の事例にあてはまるとは限らない」と主張する医師を、容赦なく名指しで批判したりと、筆者の気持ちの強さは並大抵ではない。本書で紹介される医学の実情は確かに驚きである。おそらく、文系でも社会学や心理学を専攻した人であれば、医師よりも統計的なデータの読み方ができるのではないかと思えてしまうほど、現在の日本の医学ではデータでもって裏付けるという科学的な思考が通用しない。

科学的なデータを用いた思考ができないと、どのような問題が起こるか。本書は、かつての公害問題からごくごく最近の時事問題に至るまで、医療と社会の関係についても論じている。医療に関わるニュースの見方が変わる。

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# 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。⑧』
2013/12/01 18:02
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。⑧ 渡航 小学館 ガガガ文庫 2013年



季節は秋から冬に移ろうという時期、総武高校は生徒会選挙を迎えようとしていた。生徒会長の立候補者、一色いろはは、実はクラスメイトの勝手な行動で立候補させられただけで、何とか会長にならずにすむ方法を探しに、奉仕部を訪れる。この依頼に対して、奉仕部の3人は、それぞれ別の案を提示し、対立してしまう。

宝島社刊、「このライトノベルがすごい!2014」で見事総合1位に輝いた本作。勢いづいていたところにアニメ化も重なり、今年は大フィーバーとなった。ブログ管理人のように、アニメから原作を知った人も一定数はいたはずだ。

そして、8巻はまたもや大きな転換点となる巻であった。文化祭、修学旅行と大きな行事のたびに舞い降りてくる奉仕部への依頼。その中で主人公、八幡の働きはあまりに大きかったが、それは同時に自らの犠牲を伴うものであった。本人は、孤高を貫いてきたゆえ、それを犠牲とも思っていないのだが、彼のことを心配する人間ほど、彼の自己犠牲精神に疑念の念を抱いていた。そして迎えた生徒会選挙では、またもや八幡の犠牲を伴う作戦が提案されるが、雪ノ下、由比ヶ浜はそれを許さなかった。2人が出した解答は、自ら生徒会会長に立候補するという結論だった。会長の激務と部活の両立は困難を極めるゆえ、奉仕部は解体の危機に晒される。そんな中、八幡が作戦を変更する。今までの1人で悩み、1人で解決する方法から、知り合いに相談し、一緒に解決策を探り、誰も傷つかない作戦を実行しようとするのだった。

6巻、7巻に続いて長編となった8巻だったが、これまでと変わらず、読み出すと止まらない展開であった。奉仕部解体の危機の中で、八幡が奉仕部の日常を守り抜くために奔走する姿は感動的ですらある。まさかのどんでん返しで、一命を取り留めた奉仕部の日常だったが、八幡は自分の選択肢が間違っていなかったか最後まで思い悩む。明らかに違う八幡になった瞬間であろう。

相変わらず、多感な高校時代の心情の機微を表現するのが巧い。一挙手一投足に気を使い、人間関係に翻弄されながら生きる彼らの一生懸命さに心動かされる。また、本シリーズの中で一貫して繰り返される、このような日常にも終わりが来るだろうという記述に、確実に時間は過ぎ去っていく厳しい現実を感じ取っている彼らのしたたかさも感じられる。

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# 『大学入試 担当教員のぶっちゃけ話』
2013/11/19 10:27
大学入試 担当教員のぶっちゃけ話 櫻田大造 中公新書ラクレ 2013年



多様化を極める大学入試。AO入試、指定校や公募の推薦入試、一般入試の何とか方式… 今や、1つの大学を何回も受験するチャンスがあるのは常識となりつつある。しかし、そんな日本の常識は海外には当てはまらず、日本の入試はガラパゴス化しているというのが、筆者の論である。海外との比較、試験監督の裏話、入試作問の事情など、大学教授ならではの視点から語られる入試の裏事情満載の本。

かつて、石渡嶺司・大沢仁著『就活のバカヤロー』が、疲弊する就職活動の状況をレポートし話題となったが、本書もまさにそれに匹敵するような、「入試のバカヤロー」と叫んでしまいたくなるような現状を、大学教授の視点から語っている。受験生はもちろんのこと入試に苦しむわけだが、大学教員だって、入試業務の辛さに弱音を吐きたくなっているのだろう。確かに、働けど働けど収入は増えず、ギリギリの生活をしている人から見れば、何を甘いことを言っているという批判はあるかと思うが、やはり研究と教育を本職とする大学教員が入試の雑務に追われる現状は好ましくない。このままでは、入試制度に嫌気の差した優秀な教員の海外流出が危ぶまれる。ここは何とかしなければいけない。

一方、入試に苦しむ大学ではあるが、だからこそ、入試をどのように工夫して乗り越え、入学してきた学生を責任を持っていかに育て上げるかといった大学側の努力は、受験生からすると大学選びの基準にもなりえる。入試会場での対応から、各大学による合格発表の工夫まで、自らのお子さんを大学に入学させた保護者でもある著者ならではの視点が活きる。入試は確かに疲労困憊を強いられる制度かもしれないが、だからこそ、工夫の余地があり、大学生き残りの鍵にもなるのかなと思った。

作問・試験監督・採点といった業務の裏話が大学教員の視点から活き活きと語られる部分は、なるほどとうならされたり、思わず笑いたくなるような事態が描かれていたりで、自然と次々とページをめくっていた。誰が読んでも、世の中に新たな視点を得られると思う。

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# 『生命はどこから来たのか? アストロバイオロジー入門』
2013/11/18 23:37
生命はどこから来たのか? アストロバイオロジー入門 松井孝典 文春新書 2013年



近年、地球外生命の探索が進むにつれて注目を集めるようになった学問分野であるのが、アストロバイオロジーだ。本書は、その新領域の学問を1人の学者が系統的に論じた入門書である。

まず思うのは、アストロバイオロジーという分野の扱う領域がいかに広いかという事実である。中学・高校までの理科でいう、物理・化学・生物・地学のあらゆる領域が関わり、また、これらの分野が互いにどう関連するかが見えてくる。各分野のつながりが見えてくる過程は、大きな感動を呼ぶ。

話題は多岐にわたり、古代哲学者の思想、生物の細胞に関する基礎知識、進化論、分子生物学など・・・ しかし、1人の筆者がまとめているゆえに、これらの連関がしっかりと見えてくる。さらに、ウイルスや極限環境に生息する生物など、一見地球外生命の探索と関係のないように思える研究も、本書でその裏にある意義が述べられた後は、関心が芽生えてくる。

地球外生命の探索は、なぜ我々はここにいるのか、我々は特別な存在なのかといった、人間や生命に対する根源的な問題に関わる。学問の境界を越えてその謎に迫ろうという試みには、知的好奇心が大いに刺激された。

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