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# 『指と耳で読む ―日本点字図書館と私―』
2016/02/19 17:07
指と耳で読む ―日本点字図書館と私― 本間一夫 岩波新書 1980年



東京、高田馬場の地には、日本点字図書館という施設がある。全国の視覚障害者に向けて点字図書や録音図書の貸し出しを行っている。本書は、その日本点字図書館の創設の中心にいた人物、本間一夫氏が自らの人生を振り返り、点字図書館と共に歩んできた日々について語った伝記である。

幼少期の失明経験から始まり、盲学校時代、大学時代、そして点字図書館の拡充期に至るまでの過程には、幾何の困難があり、一方で様々な人の支えがあったことがひしひしと伝わる。特に戦争に向かって物資が不足し、人々の生活や心にも余裕がなくなっていった時代でも、必死に図書館を守りぬいた著者の姿勢と、ひたむきに点訳に取り組んでいったボランティアの方々の姿勢には、本当に頭の下がる思いである。

驚きなのは、視覚障害者への図書提供という極めて公共的な性格を持ったこの事業が、初めは何ら国からの援助もなく始まった点であろう。草の根レベルから立ち上がった事業が徐々に世間に認知され、国からの予算も付くようになった過程に関わった人々の功績は、まさに奇跡と呼べるのではないだろうか。
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