若者のホンネ 平成生まれは何を考えているのか 香山リカ 朝日新書 2012年
平成という時代に入り、もはや四半世紀が過ぎようとしている。この時代に生を受けた若者は、何を考え、どんな生き方をしているのか。精神科医として、また、大学教授としての経験を元に、香山リカが語る。
最近の若者について、肯定的な観点も否定的な観点も取り入れながら、様々な傾向について語る著者。「最近の若者は・・・」と否定的に語られることの多い現象も、そこにある若者の思考を踏まえて捉えれば、むしろ「こんな社会に誰がした」と言いたくなるような、閉塞感に満ち、希望の見えにくい社会の状況が裏にあることもわかってくる。
そして最後、家事を進んでこなす若い男性や、死生学に熱心に取り組む若者の姿を述べた項目は、平成生まれの若者に対する希望に満ちている。年配の方も、どうかこの本を読み、安易に若者を否定することなく付き合って欲しいと思う。
この本では、上の年代が果たすべき役割についても、きちんと述べられている。疲れた若者の心にそっと寄り添える、粋な大人になれる方法も学べるのではないだろうか。
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