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# 『アクティブラーニング 学校教育の理想と現実』
2018/06/09 17:41
アクティブラーニング 学校教育の理想と現実 小針誠 講談社現代新書 2018年



2020年の教育改革において注目すべきキーワードが、「主体的・対話的で深い学び」である。いわゆる「アクティブラーニング」と称される授業は、一方的な知識の受け渡しに終始する授業ではなく、学び手自身が活動し、知識を活用するという視点を重視した授業である。この教育法は、すでに教育に携わる人々のみならず、世の中の大きな注目を集めている。そんなアクティブラーニング礼賛社会に対して警鐘を鳴らすのが本書である。では、何が問題か。

筆者は、アクティブラーニングの特徴とされる、コミュニケーションを中心におく授業スタイルが抱える問題点を指摘する。グループ活動による学び合いを重視した学習で、コミュニケーション弱者が取り残されてしまわないか。ただ活動させることで、表層的な学びしかできない結果にならないか。本当の意味での深い学びに到達した生徒が、現代の社会の在り方に対して批判的な結論に到達した場合に、社会は寛容でいられるか。

どんな教育方法であっても、利点と欠点はあるはずだ。アクティブラーニングを歴史的な観点から分析する本書を読むと、学力観と教育法に関する議論は常に起こってきたものであり、教育改革のたびに振り子が振れては振り戻されてきたということがよくわかる。

現場で教育に当たる者としては、絶えず自分の教育法について批判的な眼で考えるということを忘れずに、日々の教育に勤しむ。結論めいたこととなると、それくらいしかないのだろうか。
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