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# 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』
2013/06/05 20:50
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 渡航 小学館ガガガ文庫 2011年



青春、友情、恋愛…夢の高校生活とは縁遠い学校生活を送り、ひたすら「ぼっち」を貫くひねくれ高校生、比企谷八幡が、担任の教師、平塚静に連れてこられたのは、学校一の美少女である雪ノ下雪乃が所属する「奉仕部」であった。謎の部活動の正体は、たまに訪れる依頼者の願いを聞き入れ、叶えるお手伝いをすること。依頼人として奉仕部を訪れたことをきっかけに、個性豊かな生徒達が、八幡の周囲に集まるようになる。現在アニメ放映中の作品の原作。

近年、すっかり定着した感のある言葉、「スクール・カースト」。本作は、いわばそのカーストの最下層に位置する人々、「ぼっち」を主人公に据えた物語である。主人公の比企谷八幡は、独りでいることを恐れない。周囲に対してとても卑屈な態度を取るが、その裏には人間関係を巧みに読み取り、適した行動を選択する賢さと、同じぼっち系の人々や人間関係に悩む者への優しさがある。

本作の1番の魅力は、スクール・カーストの最下層から述べた、カーストのくだらなさ、辛さ、そしてそれを斜め下からの視点で見つつ独自の視点で乗り越えている八幡の存在そのものであろう。彼の独白は、卑屈な態度を呈しているが、カーストが下の者からすれば、それはまさに魂の叫び。カースト制度に苦しむ者は、八幡の言葉に生き抜くヒントをもらい、勇気付けられるのではないだろうか。そして、本作のヒロイン、雪ノ下雪乃の存在も欠かせない。彼女もまた、完璧な美少女ゆえに背負わされた孤独な運命を抱えている。2人の独りぼっちが関わることで生まれる相互作用が作品の核である。

ちなみに、登場人物には、雪ノ下雪乃や由比ヶ浜結衣、葉山隼人など、苗字と名前で同じ音が繰り返される独特なネーミングが多い。そういえば、作者名自体、「わたりわたる」と、同じ音が続いている。

作者は1987年生まれと、管理人と同年代。それだけに、数々のネタの元ネタが、面白いくらいによくわかってしまう。アニメではカットされているものも多く、「これ、今の高校生や中学生には理解できるのかな?」と思いつつ、笑わせてもらった。
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