2025/02/02 12:11
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2016/05/03 17:29
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嗚呼!花の予備校講師 ガテン系職業の実態と業界の行方 鳥脇章宏 太陽企画出版 2002年 予備校講師や予備校の実態に迫り、さらには予備校業界の今後を考える本である。出版は10年以上前のことであるが、内容的には決して古さを感じない。筆者が本書で繰り返し述べるように、予備校業界は少子化と情報社会の煽りを受けて、縮小の一途を辿っている。特に、情報技術の発達の恩恵を受けた映像授業は、筆者が捉えていた以上に凄まじい進歩を遂げ、普及が進んでいる。ただでさえ限られたパイを奪い合う状況であるのに、生身の授業が減ってしまえば、大変な打撃である。相当な年収を得ている超有名講師がいる一方で、ワーキングプアとも言えるような生活しかできていない講師が数多く存在する。そんな厳しい現状が、予備校業界にはある。 授業準備の実態、社会にアンテナを張る努力など、生き残りのために筆者が行っている並々ならぬ努力も多く紹介されている部分は、予備校講師の苦労がわかるとともに、教育業界にいる者にとって大いに参考になる記述である。生徒や流行の理解に努めることで、現代の生徒に響く説明法、指導法を見出すことができるのだ。 このように書いていると、予備校の大変さだけが書かれているようにも思えるが、決してそんなことはない。自分の腕一本で生きていく潔さ(だからこそ、本書の副題には「ガテン系職業」という言葉が使われているのだ)、安定で決められた道を進むことを拒み、アウトローでいられる環境など、予備校講師という職業の魅力も感じられる。 予備校という環境と、そこで教える講師という職業について余すことなく語っている、読み応えのある1冊。 |
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