京王線・井の頭線沿線の不思議と謎 岡島建 監修 じっぴコンパクト新書 2015年
新宿を起点として、東京都の西部へ伸びていく京王線と、渋谷を起点として吉祥寺まで走る井の頭線。本書は、これらの沿線の名所を紹介したり、沿線の歴史、駅名の謎などを解き明かしていく。また、昔考えられていた京王線の延伸計画についても触れられていて、「なるほど」と思える情報に富んでいる。
私自身、生まれてから就職するまでずっと京王線沿線で育った生粋の京王線ユーザーであっただけに、本書の発売は待望であった。「はじめに」で監修者が語っている、「地味」や「堅実」といった言葉が京王線の印象として納得できる。沿線にはあまり派手な施設があるわけでもなく、主に沿線住民を都市部に運ぶという役割を担っているに過ぎない。それでも、かつて運賃に上乗せしていた工事費を返還するために運賃の値下げを行ったことや、いまだ特急料金が別に必要な列車を運行していないことも(今後そのような計画があると聞いているが)、庶民に対して堅実な鉄道である証である…うっかり本書に書かれていないことまで触れてしまったが、思い入れの強さとしてご容赦いただきたい。
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