神様のファインダー 元米従軍カメラマンの遺産 写真:ジョー・オダネル、編著:坂井貴美子 フォレストブックス 2017年
終戦間もない日本に降り立った従軍カメラマンのジョー・オダネル氏は、広島・長崎の風景を撮影する中で、戦後の惨状を目撃し、アメリカの原爆投下を疑問視するようになっていった。悲惨な風景を2度と思い出したくないという思いから、撮影した写真を封印していたオダネル氏だったが、後に写真を公開し、反原爆の思いを伝える活動を続けていくのだった。
本書は、そんなオダネル氏の活動を彼の写真とともに振り返り、記録に残そうという試みのもと書かれた。オダネル氏は2007年8月9日に亡くなった。長崎への原爆投下の日と重なるところに、運命すら感じてしまう。アメリカ人として反原爆を訴え続けた人物として、オダネル氏が果たした役割は大きい。そんな彼の偉業をたたえて、死後10年の日に発売された本書を読むのは意義深いのではないだろうか。
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