忍者ブログ
# [PR]
2024/11/23 04:41
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


CATEGORY [ ]
pagetop
# 『錯覚学-知覚の謎を解く』
2013/01/02 17:55
錯覚学-知覚の謎を解く 一川誠 集英社新書 2012年



世の中に溢れる錯覚。それは、実験室で扱われるものだけではなく、また、面白いものだけでもない。錯覚は、身の周りに溢れるものであるし、社会的な文脈で捉えなければならないものである。本書を読んでいて、そのように感じざるを得なかった。

確かに、錯視の現象自体は面白い。同じ長さの線分がどう見ても長さが違うように見えたり、同じ濃さの四角形が違う濃さに見えてしまったりと、錯視に関わる図形や画像を見ていると、びっくりするような体験ができる。

しかし、著者が繰り返し述べているように、現代人が身に付けた錯視は、これまでの進化の過程ではむしろ適応的であったが、高度に技術が発達した現代においては、事故を引き起こす可能性がある。例えば、錯視が原因で交通事故が起こることは十分考えられる。また、スポーツの判定など、時に国際問題にもなりかねない場面など、錯視の影響を無視できない状況は多々ある。

単に現象を紹介するだけでなく、錯視が持つ社会的意味合いについての考察も充実しているのが、本書のウリだ。本書を通して、人間の認知について考える一歩としたい。
PR

CATEGORY [ 心理 ] COMMENT [ 0 ]
pagetop
<<『若者のホンネ 平成生まれは何を考えているのか』 | HOME | 『危ない私立大学 残る私立大学』>>
コメント
コメント投稿














pagetop
FRONT| HOME |NEXT

忍者ブログ [PR]