"My Humorous Japan" Brian W. Powle, NHK出版 1991年
イギリス人が日本に来て感じたカルチャー・ショックを、ユーモアたっぷりに綴ったエッセイ集。かつてNHKラジオ英会話のテキストに掲載されたもの。
本書の序文には、以下のような文章がある。
Do you enjoy joke or perhaps laughing at life itself? Do you want to better your English without reading a lot of dull textbooks? If the answer is 'yes' to these questions then this little book is for you.
この文句が、本書の魅力・特徴を語り尽くしているように思う。日本の文化・社会について知らないとこんな思いをするのかと、日本人に新たな視点を与えてくれる。たとえ皮肉や批判があっても、必要な場合にはきちんとフォローすることを忘れない。いわゆる「ここが変だよ日本人」で終わらせず、客観的な視点は忘れない。ユーモアのあるべき姿を見せてくれる秀逸なエッセイだ。内容も、20年前のものにしては、それほど古さを感じずにすむ。約30000語の英文も苦にならない。
実は、日本関連のエッセイは途中から姿を消し、筆者の個人的な経験や体験が中心になる。正直、「Japanはどこへ?」と思ってしまった。初めの通勤ラッシュの話からぐいぐいと引き込まれていった私にとっては、少し残念なことだった。
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