2025/01/22 14:36
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2010/01/20 11:08
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読ませるブログ 心をつかむ文章術 樋口裕一 ベスト新書 2009年 何万ものブログが溢れる現在、どのようなブログは読まれ、どのようなブログは読者を失うのだろうか。受験界の小論文指導に長年携わってきた筆者が、自分のブログを読んでもらうためのコツを伝授する。 このような本をブログによって紹介するのは、いささか変な気もするが・・・ 現在のインターネット社会を批判する言説も多々ある中、筆者はブログの利点や長所を述べている。これは新鮮である。その背景には、ものを書くことが人間そもそもの欲求であるという点と、人に読まれることを意識したブログを書くことで、文章力も鍛えられるという考えがある。したがって、本書はブログをまだ開設したことがない人にも一読の価値ある内容になっている。 かつては特権的な階級のみに許された、万人に情報を発するという行為。現在は多くの人が自ら情報を発することが可能になった。これを、時代の 変化による恩恵と捉える筆者の姿勢には好感が持てる。 読み手をひきつけるための修辞法や書き出しの工夫など、いっぺんにすべてを応用できなくても、それらを意識して文章を書くのと、何も意識しないで書くのとでは、文章の質や視点の面白さには雲泥の差が生じるであろう。 さて、このような本をブログ上で取り扱うのは、少し気が引けるものである。当然この本を読んだのだから、記事の随所に工夫が見られるべきではないかという指摘が出るのがもっともなため。いやはや、言うは易く、行うは難し・・・ ちなみに、筆者のブログは、樋口裕一の筆不精作家のブログ。 |
2009/11/06 20:50
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語り得ぬもの:村上春樹の女性表象 渡辺みえこ 御茶の水書房 2009年 村上春樹の2作品、『ノルウェイの森』『スプートニクの恋人』には、それぞれレズビアンの女性が登場する。本書は、その2作品の発表された時代の思想についても言及しつつ、社会において暗黙の下で抹殺されてきた女性の性やレズビアンという視点で、作品を分析する。 現代のみを知っているだけでは、文学作品の女性表象を深く理解することはできないと強く感じさせる内容。筆者は、古来からの女性差別、70年代、80年代のフェミニズム運動の動きも述べたうえで、村上春樹の2作品におけるレズビアンの描写を分析していく。 特に興味深いのが、かつて女性の同性愛は最も禁忌するものとみなされ、徹底的に弾圧されてきたという点である。そのような出来事は、実際の事件だけでなく、文学作品にも描かれている。筆者は、豊富な事例を提供しつつ、論を展開する。 また、女性が性の喜びを享受するということに対する、男性中心社会からの抑圧という視点も考えさせられる。筆者は、ブライダル・シーツなど、処女性の神聖視や、それを示すことを強制され、恐怖に怯える女性について、歴史的な資料や文学作品から分析する。 さて、現在はレズビアンに対する見方がどうなっているのであろうか?現在、ポルノグラフィにおいて、レズビアンが一分野を確立していると言えるかもしれない。また、今年の10月からアニメが放送されている『ささめきこと』は、女性の同性愛を扱った物語である。さらに、一迅社の『コミック百合姫』など、女性同士の恋愛を扱った作品のみを掲載する漫画雑誌も登場している。しかし、これらは、どれも男性の視点を抜きにして語ることができない。なぜなら、ポルノグラフィはもちろんのこと、これらの漫画も、(少なくとも形式的には)男性向けに発行されているものだからである。筆者の言うように、女性によって語られる女性の同性愛というものが、もっとポピュラーになっても良いように思う。もっとも、私が女性向けの漫画の世界をあまり知らないというのはあるが。女性については、逆にBLという視点も、検討の余地があろう。 |
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